askaryotug’s blog

~ ASKAへ ~

【3章:making】 Too many people Music Video + いろいろ

一貫性を持って、モノクロの世界にそれはあった。
ASKAのこだわりだったのだと、強く思う。

 

それは、実に生々しくない、美しい情景描写で映し出されている。
モノクロとはとても不思議なもので、色がついているよりも、彩(いろどり)美しく思わせる絶大な効果がある。

 

以前に、モノクロを多用する写真家の立木義浩氏が話をしていたことを思い出す。
モノクロは幾つの色から成り立っているのか?
無限だそうだ。
一見、白と黒のコントラストからの成り立ちに見えがちだが、実に濃淡で表現することで、無数の色があるのだという。
そこで、視覚から得る、一時の色の美しさにも増して、モノクロには奥深さが出て、
決して色に騙されない真実がそこに見え隠れするのだと。
そんな世界観を味わった映像だった。

 

さて、余談はさておき、内容の話をしよう。

本作のメイキングは、全3本。
『リハーサル』『通り雨』『Black&White』になる。
ここでは、気取らない普段顔のASKAとスタッフが、魅力的に会話をする場面が展開される。
モノクロでありながら、感じる暖かい温度。心に色が付くような気持ちで終始観させていただいた。
仲間と共に活動してきたこの一年の雰囲気が、彼の原動力の一つであることが見て取れる。
「自分一人ではできなかったこと」と、言葉を繰り返すASKAの周囲を取り巻くスタッフのエモーションと結束は、ASKAという大木を支える強靭な枝葉に違いない。
制作そのものにも、面白みがある映像ばかりだが、やはりASKAと取り巻く仲間のやりとりが微笑ましい。


『通り雨』では、こんな場面があった。
メイクさんとのやりとり。
メガネの掛け方をメイクさんが直すシーン。
「いい~って、お前ぇ、せっかくやったのにぃ」と、自分で再度メガネ位置を戻すASKA
メイクさんは、メガネのフレームを横の髪の下に掛けたかったようであるが、
「え~これでいいじゃん」「五反田界隈、こんな感じだよ」の会話がなされる。

 

まるでコント(笑)
笑顔が周囲に溢れる。

 

もちろん、それだけではない。
シーン撮りと、歌詞の内容の設定確認には余年がなく。
一つ一つの歌詞を活かすように、シーンを繰り返し確認する。

 

また、エキストラ参加した方々への言葉の配慮も忘れない。
その声の掛け方に、ASKAの優しさが宿る。
楽曲がなくても、その「通り雨」の楽曲の柔らかさ、明るさが現場に降り注がれる。
ASKAの人柄が一見する場面だ。

 

最後、ストリートミュージシャンに飛び入りし、「通り雨」を歌うシーン。
ASKAの提案だった。
ASKAがエキストラの方々を手招き、肩を組み合う。
それが大きな輪となり、楽しさに満ちたシーンとなる。
カメラ方向に向いた、皆の戸惑いと照れくささの表情。
ASKAの「してやったり」の笑顔。
この自然な表情、「作られた感がない」ことが、更なる新鮮さの中に煌きが見えた。

 

楽曲制作者の想いが、そのまま画面に反映され、見事なまでに映像化されたのである。
実際に作られたこのMVは、本当に美しい。

 

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Black&White』。
これは、予期していなかったことにて、感激も一入な、映像だった。

楽曲『Black&White』の触りを少々。
予想外にポップな仕上がりになっていたことに、驚き。
この雰囲気が、The Beatlesの要素的曲調を醸し出す。
…と思っていたら。
「最終的にはビートルズになってしまうんだろうな」の言葉が飛び出して。
思わず、微笑。

 

しかし。
ここは、さすが!と思わせるシーンのオンパレード。
ASKAとHis Bandの秀逸な手腕が光る。

「クレジットで皆がやった証拠を載せたいな。」
ここでも、ASKAのバンドメンバーを想う一言が発せられる。
次から次へと、音の確認をし、作り上げていくメンバー。
ASKAに、そう言わせるほどの腕前を持つプロフェッショナル集団だ。

 

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こうして、ASKAのもとに戻ってきてくれたこと、集まってくれたことを、
ASKAの人柄なれど、嬉しくてたまらない。


今後もずっと、ASKAはこの素晴らしい仲間と共に、
楽曲を制作していくに違いない。

 

いくつもの時を超えるような楽曲を、
誰もが口ずさんで止まない楽曲を、、、
これからも、ずっと…。